それは突然の出会いだった
前職に入社して3カ月ほど経過したある土曜日の朝のこと。
上司と馬が合わず、僕は心身とも疲れ果てていた僕はミスチルに癒しを求めていました。
いつものようにテレビでYouTubeを垂れ流しながら家事をします。
桜井さんの声が、バンドの演奏が、僕の心を穏やかにしていきます。
流れている曲を口ずさみながら、少しずつ休息に向かっていく自分の心を確かめます。
もうずっとこの時間が続けばいいのに。僕にとっての安らげる場所がそこにはありました。
しかし、HANABIが終わって次の曲が流れ始めたとき、僕の心は大きく揺すぶられることになるのでした。
イントロ。初めて聴くピアノのメロディ。ミスチルじゃない。誰の曲だろう。
あなたは夕日に溶けて 私は夜明に消えて
優しくて色気のある声。伸びやかな歌声。スケールの大きさを感じさせる曲でした。
僕には音楽を評論することはできませんが、これだけは断言できます。気持ちよさそうに歌ってる。
テレビに映るMVでは人々が草原の中、真っ直ぐに伸びる道路の上を歩いています。小学生くらいの男の子や女子高生、サングラスをかけた男性など、それぞれに何かしらのストーリーを抱えている雰囲気を感じます。
そして二人掛け程度の大きさのソファーに荷物を乗せて歩いている、色気のある爽やかな男性。この人がこの曲の歌い手でしょうか。
真田広之のような、斎藤工のような、そんな、色気と優しさの権化みたいな男性。きっと、『HOME』でおなじみの木山裕策のような遅咲きミュージシャンに違いない。そんな印象を抱きながら見ていました。
藤井風くんの『帰ろう』です。
この、帰ろうという曲、自分の中に抱いていた雨雲のような気持ちを雲一つない晴れた空に変えるような、そして、本当に、大げさではなく、自分の価値観を変えるような、そんな歌詞なのです。優しくも激しい衝撃に僕は揺すぶられたのでした。
許そうではなく「忘れよう」
僕は、歌詞には聞き手それぞれの解釈があり、それぞれの解釈がすべて正解だと思っているので、自分の解釈を押しつけるようなことはしたくありません。
なので、それぞれの解釈で楽しめばいいと思っているのですが、個人的には
「欲張って欲しがる必要もないし、あなたの心を傷つけるものを抱え込む必要なんてないんだよ。憎み合う必要もない。そんなもの忘れてしまおう。自分らしく胸を張って自然に生きよう。」
そんな風にとらえています。どうですか?やばくないですか?
転職先で一旗揚げるため、毎日戦っていた僕でしたが、何かから解放されたような、そんな気持ちになりました。
なんだか、すっごく楽になったんです。
結果を出さなきゃいけないとか、評価を上げなきゃいけないとか、そんなことばかりを考えて毎日を過ごしていた僕でしたが、このとき、「もっと楽に生きよう、ここにすがる必要はないのかもしれない」って思いました。
もちろんこれがすべてではないけれど、前職から現職に転職するにあたり、心穏やかに過ごせたのは、この曲によるところも少なからずあります。出会えてよかったなって、心からそう思える曲になりました。
藤井風について
ちなみにこの藤井風くん。先ほど僕は遅咲きのミュージシャンと形容しました。
年齢を見てチビりました。真田広之のようなセクシーさを持ち、人生120年やってきましたみたいな歌詞を書きながら、なんと弱冠24歳。(2021年7月時点)
『帰ろう』をリリースした時点では22歳というのだから驚きです。
しかも老けてるというわけではないんです。いい意味で30代の僕よりも大人っぽい。艶やか。
しかもですよ。3歳の頃からピアノを習い、エレクトーンやサックスも演奏できる。流暢な英語を操り、身長は181センチ。イケメンで八重歯がかわいい。一人称は「ワシ」。
なんのキャラ?できすぎちゃってんのよ。何ひとつ勝てねえ。
心にも休める場所をつくってあげてほしいです
今回、何が言いたかったのかというと、何らかの形で心が休める場所を作ってあげてほしいということです。
気を張り詰めすぎると、心は疲れます。心に疲れがたまると心身ともに健康じゃなくなります。健康じゃなくなると幸せな人生は過ごせません。
僕もその一歩手前まで来ていたと思います。取り返しがつかないところまでいかなく本当に良かった。心からそう思います。
みなさんもどんな方法でもいいので、ちゃんと心を休めてあげてください。例えば、それは何を楽しむことでもいいです。何かをやめることだっていいです。
最後に、仕事で悩んでいる人へ、仕事をやめることで得られる幸せがあることも忘れないでください。僕自身がそうでした。今は仕事をやめたって生きていけます。ぜひ心と体の健康を優先してください。
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